たんかんのスパイス龍宮煮
一年中、「りゅうぐりあ」を飲みたい。
その一心で考えたのが、たんかんのスパイス龍宮煮である。たんかんは、2月から3月ぐらいまでのシーズンにしかフレッシュなものは楽しめない。この時期のフレッシュ感をそのままに、いつでも「りゅうぐりあ」を楽しむためには、「りゅうぐりあ」の濃縮版的なものをつくってしまえばよいのではないか。
この3月、例年通り買い込んだたんかんのうち20個を使って、試作をしてみた。
スパイスは、シナモン・粒黒胡椒・クローブ・コリアンダー・カルダモン。分量は適当で写真の通りの量を使用した。たんかんはすべてを輪切りにして鍋に並べてスパイスを散らし、全量の半分ぐらいが浸る程度の龍宮を注ぐ。
落し蓋をしてコトコトと弱火ぐらいで煮る。煮過ぎてたんかんが崩れてしまうことを避けるために、状態を確認しながら火を入れていった。だいたい30分ぐらいだっただろうか。そこで火を止めてしばらく放置。煮出されたたんかん汁と龍宮がたんかん本体に吸い込まれていくのを待つ。
完全に冷めたら、すぐにも貪り喰いたい気持ちをぐっとこらえて(こらえきれずに1つ食べてみたらそれだけで充分美味しい1品だった!)、6片ずつラップでひとまとめにして、ジップロックに入れて冷凍庫へ。
できるだけたんかん片に汁を吸わせてしまったほうがよいが、鍋に汁が残ったら氷を浮かべて飲んでよし。
ちなみに、スパイスは一緒に冷凍せずに捨てること。スパイスの苦味が出てしまって美味しさのじゃまをするからだ。
あれから3ヶ月ほど経過して、梅雨だというのに晴れ上がった暑い日に試飲。
凍ったまま、龍宮の炭酸割りに入れてみる。一口目からたんかんとスパイスがしっかり香る。でもまずは香りだけ。これが徐々に溶けるに従って、芳醇な味とよりつよい香りがまわってくる。とはいえ、たんかんもスパイスも「りゅうぐりあ」よりソフトなアタックなので、軽めの食事と合わせるにもぴったりではないだろうか。
ただの炭酸水に入れるのも、ほのかな龍宮感を楽しめる昼の飲み物としておすすめである。
なぜ20個分しかつくらなかったのだろう。次のたんかんシーズンがきたら、冷凍庫をたんかんのスパイス龍宮煮でいっぱいにするという野望がうまれた。
2015/06/22
書いた人
peng
奄美黒糖焼酎語り部。
黒糖焼酎に合う料理や黒糖焼酎を使った料理を考える時間が至福。
毎年2月にたんかん・とびんにゃ商人と化す。