カルダモン × 龍宮

この記事の目的

黒糖焼酎とスパイス料理の相性はとても良いと感じています。それなら、黒糖焼酎自体にフレーバーを足すという試みはどうだろうか、黒糖焼酎ベースのリキュールができないだろうか、という妄想をするにあたり、まずは個々のスパイスとの相性を確かめていくことが目的のシリーズです。

カルダモン?

スパイスの女王と呼ばれるカルダモン。ショウガ科に属す、上品な香りが特徴のスパイスです。カレーにはかかせないスパイスのひとつですし、肉料理の匂い消しやデザートの香りづけなど、幅広く使われています。そしてリキュールへの香りづけにも用いられていますから、黒糖焼酎と合わないわけがないスパイスなのです。

最近は日本でもよく知られるようになり、スーパーなどでも乾燥の種子が購入できます。サフラン、バニラに次ぐ高価なスパイスですが、輸入食材店だとまとめて安く購入できたりします。

カルダモンの写真

香りを移す

今回は2種類の方法で香りを移してみます。ひとつは乾燥したものをそのまま龍宮へ。もうひとつは乾煎りして香りを立たせてから龍宮へ。

カルダモンを龍宮に浸した写真

そのまま2粒、龍宮のグラスへトポン。まずはストレートで味見をしてみます。

5分、まだほんのりと後味に香るだけ。入ってることを知らなければ判らない程度。

15分、立ち香にカルダモンの香りが交じりだした。甘さにも香りが移り、甘味自体が濃く厚くなった印象。しつこくなくて、とても美味しい。ほんのりエスニックな龍宮。

20分。非常にリッチな香りで美味いけど、強く出すぎて限界。これ以上香りがつくのは、飲んでてキツイし龍宮の香りを壊してしまうなぁ。

乾煎りしたものも2粒、龍宮のグラスへ。同じくストレートで味見をしてみます。

5分、乾煎りしててもこれくらいの時間では少ししか香らない。

10分。立ち香に香り始めた。香りの印象がそのままのものと比べると乾燥していて、すっと細身の印象。

15分。早くも香りがきつい。香りの強さの割には、甘さは控えめの印象。

想像どおりですが、乾煎りしたものの方が早く香ります。そして香り自体も上品で乾いて澄んだものに。カレーを作るときも、ホールスパイスは油に香りを移すテンパリングをして使うのが基本ですから、熱による効果は重要なのでした。

特徴

甘く爽やかなカルダモン香りが強く立ちますが、龍宮の香りとの相性は良く、うまく調和してくれます。強く付けすぎないようにだけ気をつけてください。

味は黒糖の甘さにカルダモンの甘さが加わり、複雑で厚みがでます。甘さを強くしたいなら乾煎りせず、香りだけにしたいなら乾煎りして使うとよいでしょう。

カルダモンの香りは、取り出すことによりある程度収まっていきます。物足りなくなったら再度投入して調整ができます。

飲み方

ストレートの状態でも十分に香るスパイスですから、少し冷やして香りの輪郭を引き締める飲み方が良く合います。ロックや、前割を冷やして飲むのがおすすめです。

2014/09/29

書いた人

koching

奄美黒糖焼酎語り部。
もったいなくて飲めないお酒を買い集めるのが趣味。
甘いものでも辛いものでも、なんならお酒(の瓶を眺めること)を肴に酒が飲める人種。